2018年10月21日日曜日

悪夢の部屋・五十年後/コナン・ドイル

「悪夢の部屋」は、美しい妻に対して贅沢を許し、愛情を注いできた夫が、その妻に毒殺されそうになっており、夫は妻のたくらみを問いただすのだが、そこから、妻が別に愛している男が判明し、その男が登場するという三角関係を描いている。
しかし、まるでジョークのように、この物語は唐突に終わる。
コナン・ドイルらしくない、ある意味、雑ともいえるこの作品は、彼の珍品ともいえるものかもしれない。

「五十年後」は、ある資本家が思い付きで実行した漆喰塗りの工場設立が原因で、競合する工場に勤めいていたジョン・ハックスフォードが職を失い、愛する娘メアリーをイギリスに残し、カナダに旅立ち、職を求めるのだが、カナダで犯罪に巻き込まれ、記憶喪失になってしまうという物語だ。ジョンは記憶をなくしたままカナダの工場で働き続ける。
しかし、頭も白髪になったジョンが偶然イギリスの地元の水夫たちの方言に心惹かれ、話を聞くうちに失われた記憶を取り戻す。
彼は、ためらわずイギリスへの汽船に乗り込むが、すでに五十年の月日が経っていた。果たして、メアリーは...という物語だ。

これもコナン・ドイルの持つ道徳観がにじみでているような作品だ。
人の強固な意思は非情な運命さえ乗り越えられるというような。

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