2018年10月20日土曜日

膚黒医師・ユダヤの胸牌/コナン・ドイル

「膚黒医師」 英語ではBlack Doctorとそのまま読むと、黒人の医師の話かと思うが、この物語では、インディアンの系統にありながら、容貌はヨーロッパ人的というイギリスの小さな村では目立つ風貌のラナ医師の話だ。

外科医としても内科医としても有能なラナ医師は独身で、大地主の娘と恋仲になり、婚約するが、海外から届いた一通の手紙を受け取った後、突然婚約を破棄する。そして、その数日後、ラナ医師は自宅で謎の死を遂げる。

真っ先に疑われ、容疑者となったのは婚約を破棄された娘の兄だったが、その兄の裁判で、娘は死んだはずのラナ医師が生きていることを告白する。

「ユダヤの胸牌」 胸牌というと、胸のプレートという意味もあるが、ここでは甲冑の胸当てのことである。博物館長に就任したばかりのモーティマーに、博物館の夜の見張りが一人しかおらず、盗難に遭わないよう警備を強化すべきだという謎の手紙が届く。しかも、その手紙の筆跡は、彼の前任者であり、ヨーロッパでも高名なアンドリーアス教授のものだった。

そして、その手紙の警告通り、何者かが博物館内に立ち入り、胸牌に埋め込まれた宝石を取ろうとしていた形跡が見つかる。しかし、宝石は盗まれず、残ったまま。そして、翌日も、別の列の宝石が取られようとしていた形跡が見つかるが、これも残ったまま。
モーティマーたちは博物館で寝ずの番をし、ついに胸牌の宝石に手をかける犯人を目撃する。その姿はアンドリーアス教授その人だった。

いずれも、高い身分にある職業人が関わる事件だが、凶悪性はなく、やむ得ない事情により犯罪めいた行為をしてしまう物語だ。
登場人物も下品な人物は誰一人おらず、紳士、淑女しかいない映画のような世界。




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