2013年3月11日月曜日

NHKスペシャル メルトダウン 原子炉"冷却"の死角

2年経った今も、東京電力福島第一原子力発電所の事故が、何故起きてしまったのか、十分な解明ができていない実態が明らかにされていて、非常に興味深かった。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0310/

http://datazoo.jp/tv/NHK%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB/628632

NHKスペシャル「メルトダウン 原子炉"冷却"の死角」では、1号機と3号機で、何故メルトダウンが起きてしまったかを詳細に検証していて、

1号機では、全電源喪失でも動くはずの非常用復水器(イソコン)が止まっていたことに、東京電力の現場の人たちが気づかなかった原因について。

・電源がなくても動くはずだという思い込み。
・1号機の水位計の水位が2メートル近く下がっていることがわかったが、2号機の電源がないと動かない冷却装置の方に気をとられていた。
・ブタの鼻と呼ばれる換気口から出る水蒸気で、イソコンが動いているものと誤認した。
 実際に動いているときに、どのような水蒸気が出るのか、誰も知らなかった。

3号機では、消防車による代替注水(注水ホースをパイプにつなぎ、原子炉に水を入れる)という方法がとられていたが、原子炉に向かうはずだった大量の水が、途中、復水器という別の抜け道に流れていってしまった可能性が高いという。
復水器に入る水を止めるためのポンプが電気がなくなったことで止まっていたことが原因らしい。

イタリアの実験施設で行った実験の結果から試算したところ、消防車から注水した55%が復水器に漏れ出たことがわかった。
専門家の意見では、もし、消防注水の水が原子炉に75%以上届いていれば3号機のメルトダウンは防げた可能性があったという。

こういった事実は、NHKの独自取材で浮かび上がってきた事実ということで、国会事故調査委員会でも指摘されていない事実だという。

そして、日本の他の原発では福島の事故以降も、消防車や給水ポンプの配備は進められているが、実際注水した時に抜け道がないかどうかの検証は行われていないという。

もっと深刻なのは、4号機のプールに蓄積されていたあった燃料棒の冷却機能が失われていた際に、高い放射能のため、現場では作業員が近づくことすらできず、手の打ちようがなかったということだ。これは、幸いにも、水素爆発で建屋が吹き飛び、上からの注水が可能となって、メルトダウンだけは避けられた。
(もし、メルトダウンが起きていたら、最悪、関東圏も避難区域となっていた)

そして、この4号機のメルトダウンの危機回避のための検証もまだされていないという。

こういった検証をNHKが行っているのはすばらしいことだと思うが、何故、国が、東電がやらないのだろうか。
それでいて、何故、原発を再稼動して問題ないと言い切れるのだろうか。

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