2013年3月18日月曜日

真幻魔大戦11~13/平井和正

真幻魔大戦11「妖惑者」、12「魔の山」、13「験比べ」は、飛鳥時代の大峰山脈に、杉村優里がタイムスリップし、東丈の前世である役の小角に出会う物語だ。

その世界には、”鋼鬼”と呼ばれる記憶を失ったサイボーグ・ベガが小角に従者として仕えており、小角の異母妹として、杉村由紀の前世である雪野がいる。

また、CRAの創始者と思われる謎の人物 大角重の前世と思われる小角の父親”大角”がいて、”月影”の前世とおもわれる犬神一族の”せぐろ”がいる。

ここでは、杉村優里の出現により、修行を棒に振り色に迷ってしまった修験者 大足と、彼女の超能力に、正常な子が生まれないという一族の存続を賭けようとする犬神一族、杉村優里の前世である”クロノス”を知る大蛇と化した幻魔、優里と話すうちに徐々に東丈の意識を持ち始める小角が描かれている。

大足や大角の淫らな性欲、小角と大足の超能力対決、小角と犬神、ベガと犬神の対決、さらにはPK能力を発揮しはじめた優里と大足、優里と犬神の女との対決など、作者お得意の若干下品とも思えるセックス描写とアクションの場面が、これでもかと続く。

正直、ほとんどが山の中での話なので、時代背景を飛鳥時代にする必然性は、東丈の前世を役の小角にすること以外、ほとんど感じられない。

しかし、物語の最後、時空の門の前で、小角が東丈の、さらにはアポロの意識を取り戻し、ベガも自らを取り戻し、丈にルナ王女やソニー・リンクスの所在を尋ねる場面は、過去の物語がつながり、一歩進展した感がある。

この後、物語は、超古代文明が繁栄していたムー大陸に舞台を移す。

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