2015年8月2日日曜日

最近の報道機関に思うこと

マスコミは、権力が暴走しようとしたときこそ、権力と距離をとって、公平な報道を行うべきだと思う。
つまり、そういう時にこそ、真価が問われるのだ。

今回の安保法案をめぐる各社の報道の対応がくっきりと分かれたせいで、私のニュースソースもすっかり変わってしまった。

以前は、テレビのニュースはNHKのニュース 特に、ニュースウオッチ9を見ていたのだが、最近は、すっかり見なくなってしまった。

政権に批判的な情報は流さないし、キャスターはニュース後もノーコメント。
見ていると、拍子抜けしてしまうのだ。

ひどい内容の国会審議が流れたあと、何かひとこと言いたくなるのがふつうじゃないですか?

以前は、控えめながらも、大越さんのはっきりとした個性が感じられるコメントがあった。
残念ながら、今のキャスターは、つるっとした、のっぺらぼうみたいに無個性だ。

もちろん、今の籾井会長のせいであることは、想像がつく。

安倍政権の行った人事は、政権の考えに賛同したり、いいなりになる人間を選択していることが、いずれも顕著に表れている。

NHK会長しかり。百田のNHK経営委員しかり。日銀総裁しかり。法制局長官しかり。


現場としては、反抗しづらいのだろうが、最近は、原発に関するNHKスペシャルも報道されなくなったりして(川内原発の再稼働前の時期だからだろうか)、視聴者としては本当にがっかりしている。

NHKの報道とは対照的なのが、テレビ朝日の報道ステーションと、TBSのNEWS23、報道特集、サンデーモーニングだろう。

(一つの目安として、国会前の安保法制反対の抗議集会の様子を定期的に報道している報道機関は、権力と距離をとっていると思う)

報ステは、癖があるけど、古館さん、NEWS23・サンモニは、岸井さん(写真下)が頑張っている。
(サンモニは、この件があるまで、若干重たい感じがしてあまり見ていなかったのだが、こういう硬派な話題になると、寺島実郎さん等、他のコメンテーターも、安心して話を聞くことが出来る人が多い)


報道特集は、最近で言うと、中曽根元首相が、戦時中、インドネシアで慰安婦所開設を推進した人間であることをスクープするなど、硬派な報道番組だと思う。
(しかし、こういう事実があるのに、慰安婦問題で、安倍政権が執拗に謝罪を拒否する資格が本当にあるのだろうか?)

フジテレビは、BSフジ プライムニュースだけは見る価値があると思う。
(反町理キャスターの、したり顔風の「ナルホド!」を見ていると、不思議にクセになる)

日テレは、手厚いのは、芸能と皇室のニュースぐらいだろうか(ある意味、NHKなみに統制されていて、スカスカの情報しか報道していない)

テレ東は、最近で言うと、「池上彰の戦争を考えるSP」の番組がよかった。

ナチスが最も民主的な憲法といわれていたワイマール憲法の下で新しい法律をつくり、憲法の効力をなくしてしまう憲法の解釈を変えたと説明しているあたりなどは、とても参考になった。

池上さんは、数日前のテレ朝の番組でも、本来、政権のチェック役である内閣法制局長官を、内閣総理大臣の権限で変更できてしまう制度的問題を問うていた。

私は、これらの番組を見たせいで、すっかり、 池上彰さんにリスペクトを置くようになってしまった。


新聞でいうと、全国紙では、毎日新聞が頑張っていると思う。

読売新聞は、早朝から読んでいてムカムカする記事が多いのだが(特に社説)、その記事に騙されてたまるか、という思いがムクムクと知性を刺激するので、ある意味、ボケ防止にはいいのでは、と最近は思うようになりました。

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