2015年3月10日火曜日

NHKスペシャル 震災ビッグデータ File.4 いのちの防災地図 ~巨大災害から生き延びるために~

震災時の車や人の行動をビッグデータから解析し、今後の防災に活かそうという趣旨の番組で、見ていて、なるほどと思わせる内容が多かった。

被災地に、何故、救援物資がすぐに届かなかったか。
(食料・水・暖房器具などが足りず、そのせいで多くの人が避難所で亡くなった)

番組では、震災前は、活発に動いていたトラックの移動の軌跡が、震災後、ほとんど動いていなかった様子を紹介していた。

その原因はガソリンスタンドの閉鎖だ。
通常、トラックは、帰りの燃料がなければ、物資を運ばない。

なぜ、ガソリンスタンドが閉鎖してしまったかというと、日本の精油施設が被害を受け、生産量が減少していたこともあったが、石油を運搬するタンクローリーが、被災地に石油を運べなかったというのも原因だったらしい。

知らなかったが、タンクローリーというものは、通常、同じ地域の中で運搬を行い、越境はしないという。
効率性を高めるための運送システムだったが、 その地域の石油を運搬する、タンクローリーが被災して動けなくなくなると、石油の輸送が絶たれてしまう。
今後は、 地域ごとに、石油の備置施設を作り、越境して石油を運搬するルートを持った運送システムの構築が必要であるということが指摘されていた。

また、震災発生時に、人々がスーパー等で買い求めた物資の一覧が紹介されていた。
レトルトのカレー、缶詰、水、電池などに続き、意外なものとしては、ラップ(食器を洗わなくてよい、また、破れた窓の補修にも使える) 、制汗スプレイ(お風呂に長く入れない)、子供のおもちゃ(テレビの津波の映像ばかりで子供の心にダメージを与える)なども、震災の一週間後あたりから、購入の数が増えてきたという。

南海トラフ地震への対策についても紹介されていた。
高知の二葉町では、津波と地震による災害発生地区を予想し、その場所にかからない避難のための道路を割り出し、その道路の先にある仁淀川町という町を訪れ、災害時には、空き家や休眠施設を利用させてほしいという申し入れを、平時である今、すでに行っているという。(素晴らしい)

番組中、識者が、防災とは、どれだけ災害をイメージできるかにかかっている、と言っていたが、単に想像を巡らせるだけでなく、東日本大震災の時に得られたビックデータを活用して分析することは、その問題点と対策を具体的に目に見える形にしていく有効な手段になるということは間違いない。

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