2014年9月15日月曜日

ザ・ゴール 2 思考プロセス/エリヤフ・ゴールドラット

前作で閉鎖寸前の工場を立て直した工場長 アレックスは、本作では、多角化事業の副社長(グループ子会社の統括責任者)に出世している。

しかし、このグループ子会社の経営が、投資した分に対するリターンが足りないということから、親会社の取締役会で、グループ子会社3社の売却が決定される。

その3社とは、前作でアレックスの部下であったボブとステーシー、そして、アレックスの考えをよく理解しているピートが社長として経営している子会社であった。

会社を買収しておいて、親会社として何ら支援せず、経営が悪くなったら、即、売却という、いかにもありそうなグループ企業におけるM&Aの話なのだが、売却を推し進めるジムとブランドンという極めてドライな社外取締役の存在もリアリティがある。

アレックスは、売却までの6ヵ月の間に、これら3社の業績を急激に改善させ、なんとか、売却の決定を覆そうとするため、彼の経営手法の師匠であるジョナ(物理学者)から教わった思考プロセスを用いて、この難題を切り抜けようとする。

・現状問題構造ツリー
・雲(Cloud)
・未来問題構造ツリー
・前提条件ツリー
・移行ツリー

これらが、その思考プロセスを実行するツールとして紹介される。物語中でも、アレックスの子供たちからのちょっとした要求に対する解決策として簡単な事例が、さらには、社外取締役に自分の考えを理解を説得するために書いた複雑な事例が紹介されていたが、正直、これを自分が使いこなせるのは難しいという印象でした。

でも、社外取締役が、いつしか、アレックスの説得に耳を貸してしまうように、何も考えないで経験と勘に頼る経営手法よりは、魅力的で、はるかに好感を持てました。

*この思考プロセスについて、webでも検索すると、たくさんの紹介記事を見ることが出来ます。

私が最も感心したのは、M&Aで売却しようとする企業を、as-is(あるがままの姿)で、売るのではなく、しっかりとした経営手法を持たせ、やれるとこるとまで業績を回復し、買い手にとっても魅力的な企業に改良させてから、高値と好条件で売却するというwin-winのスタンスである。

(日本の場合、業績が落ち込んだ子会社を投げ売りするのに近いのが実情ではないでしょうか? もっとも、この本に出てくるほど、子会社が業績を回復してしまったら、たぶん売却の話自体、消えてしまうのでしょうね)

新たな売却先で活躍することを想像し、(株式譲渡契約をチェックしていると思われる)弁護士に対して、「あの弁護士、何をグズグズしてるんだ!」と愚痴るボブの姿は、ある意味、成功したM&Aの理想的な姿を描いているのかもしれませんね。

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