2015年4月5日日曜日

「沖縄の孤独な戦い」/ル・モンド紙

菅官房長官が4月5日の今日、ようやく沖縄県知事の翁長氏と会談の機会を持った。

両者の主張が平行線の結果に終わることは予想できていたが、しかし、ここまで沖縄の人々の苛立ちを増幅し、態度を硬化させてきたのは、安倍政権が、辺野古への米軍基地移設反対を唱える翁長知事を、就任以来、一貫して無視し続けてきたことが原因であることは明白だと思う。

今日の会見で、翁長知事が 「上から目線の粛々と言う言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していくと思っている。」と述べていたが、今まで、政府がコメントしてきた、法律論を盾に海底ボーリング調査などの移設作業を“粛々”と強行する姿勢を目の当たりにすれば、誰でも沖縄県の人々の怒りは十分理解できてしまう。

内田樹氏のブログにも、 フランスの新聞社『ル・モンド』が3月25日に掲載した「沖縄の孤独な戦い」と題するレポートを紹介している。

http://blog.tatsuru.com/2015/04/03_1842.php

http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2015/03/25/int-au-japon-le-combat-solitaire-d-okinawa_4600787_3216.html

この記事を読んで、なるほど外からはこう見えるのかと、妙に納得してしまったのは、「19世紀末に独立王国であった琉球の日本への併合以来、二級の市民とみなされてきた住民たちの怨恨をかたちにしている」という部分だ。

私たちは、今も世界のあちこちで起きている少数民族の迫害を、まるで他人事のように受け止め、彼らの文化や考えを尊重することを主張しているが、第三者的な目で見てみると、日本もまた沖縄に対して同じことをしているのではないかということだ。

「日本から独立すべきだ」という声が沖縄の人々から上がってもおかしくない深刻な事態に陥ってしまっているというのが現状だと思う。

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