2014年8月18日月曜日

百年の孤独/ガルシア・マルケス

面白いのは分かっているのだが、なかなかページが進まなかった「百年の孤独」

人物の名前と相関関係が覚えられない。
同じことを何度も読んでいるような錯覚に陥る。
まとまった時間が取れない等々。

やはり一冊の本は、三日以内に読み切るのがベスト。

今回、休みの時間と、池澤夏樹の「世界文学を読みほどく」に収められている「ブエンディア家系図」、「マコンド<百年の歴史実話・抄>」の助けもあって、ようやく読み切ることができた。

特に<あだ名>が付いている家系図の存在が大きかった。

ブエンディア家では、近親婚が多いせいで、父母、祖父母と同じような名前が付けられたり、性格も似通っているというせいで、誰の物語なのか読み進めるうちに分からなくなってしまい、混乱してしまうのだから。
(物語中、ブエンディア家を支えていた偉大な母ウルスラでさえ、曾孫の兄弟を取り違えてしまう)

しかし、この込み入った人物関係を確認しながら読み進めると、物語に集中する時間が途切れない。

最後の章、今までの一家の歴史を振り返るような預言書の言葉とともにブエンディア家が蟻地獄に吸い込まれるように消えてゆき、マコンドの町も崩れ去っていくあたりは圧巻でした。

ブエンディア家一族は、誰も個性的なのだが、強く印象に残ったのは、

・ホセ・アルカディオ・ブエンディア<最初の者>
・ウルスラ<家刀自>
・アウレリャノ<大佐>
・アマランタ<黒い繃帯>
・レベーカ<もらわれっ子>
・レメディオス<小町娘>    <>は、池澤氏が付けたあだ名

上記の面々だろうか。
やはり、初代、2代目までが多い。

マコンドの町を作った偉大な初代と、個性が強い二代目、若干影が薄くなる三代目、二代目の面影を強く感じさせる中興の祖的な四代目、能力はあるがマコンドにいるせいで不幸になってゆく五代目と六代目、そして、蟻のむさぼる七代目。

近親婚、畸形児、超常現象、猥雑、貧富の波、不透明な政治体制、革命、暗殺、老い、世代交代。
百年という永遠にも感じる時間の中で、盛衰を繰り返したブエンディア家とマコンドの町。

しかし、いつかは終わる時が来るのだと思うと、その読後感は深さを増すばかりだ。

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