2014年2月24日月曜日

集団的自衛権行使の憲法解釈の見直し

ニュースで、安倍首相と民主党の岡田さんが論戦をしていた「集団的自衛権」の問題

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140222-OYT1T00031.htm

安倍さんは、憲法9条の解釈を変更して、従来、憲法改正を得なければ行使できないと言われていた集団的自衛権について、その解釈変更を閣議決定した後、国会の審議に回そうという手続きを考えているらしく、民主党の岡田さんは、そんな重要な解釈変更を先ず閣議決定するのはおかしい。手続きとしては先に国会で審議すべきだという意見らしい。

この「集団的自衛権」の定義とは、

「自国と密接な関係にある他国に対する攻撃を、自国に対する攻撃とみなし、自国の実体的権利が侵されたとして、他国を守るために防衛行動をとる権利」のことを言う。

わかりやすく言えば、同盟国のアメリカが第三国から攻撃を受けた場合、日本は攻撃を受けていなくても、自国に対する攻撃とみなし、反撃する権利ということだろうか。

確実に言える事は、自衛隊が交戦する可能性は一段と高くなるということだろう。

「国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第 9 条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている」

というのが、従来の政府見解だったらしい。

以下の資料がよくまとまっているので、参考まで
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/pdf/073002.pdf

上記資料を見ると、個別的自衛権の解釈も集団的自衛権の解釈も、憲法制定から徐々に拡大されてきた経緯が分かるが、それら政府見解は全て国会答弁の中で述べられていることが分かる。

安倍さんは、閣議決定した後、国会の審議に回すと言っているので、一見よさそうにも思えるが、明らかにアメリカとの日米防衛協力の指針(ガイドライン)の改定のスケジュールを見据えたものとなっており、先日の秘密保護法案同様、適当なところで審議を打ち切り、この新解釈で突っ走っていく可能性は否定できない。

なぜ、そうまでして急ぐのか。

安倍首相をいつも強力に支持する読売新聞をみると、どうやら、尖閣諸島を中国が占拠した場合を想定してのことらしい。しかも、軍隊による占拠ではなく、不法操業の漁船を装っての占拠を想定しているらしい。

つまり、尖閣諸島を守ろうとするアメリカが日本国外で攻撃を受けた場合も、憲法違反とならないよう、解釈を変更して、共に戦えるようにしておくので、アメリカさん、ちゃんと日本を守ってねと言いたいということなのだろう。

しかし、そもそもの疑問だが、そんな事態が起きたときに、本当にアメリカは中国と交戦してまで日本を守る意思はあるのだろうか。今のアメリカ政府の対応をみていると、それはないようにも思える。

また、中国は本当に尖閣諸島を占拠する軍事行動を起こすだろうか。
それは本当に日中戦争に発展しかねない危機だ。そして、同盟国であるアメリカとも明確に事を構えることになるだろうし、国際的な非難も確実に浴びることになるだろう。

まず急ぐべきことは、そんな事態は生じないと言い切れないほど悪化してしまった両国関係の改善だろう。
安倍首相が先ず注力すべきことは、何としてでも中国 習近平 氏との対話を実現することではないのか。

そういった対話のメッセージを出さすに、靖国神社の参拝、首相周辺らの失言(特に否定も叱責もなし)、武器輸出三原則の緩和、集団的自衛権の拡大解釈というメッセージばかり送っていれば、否が応でも、日中間の緊張は高まってしまうだろう。

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