2013年1月22日火曜日

余韻だけで見せる映画

最近、インフルになってしまい、5日間、寝込んでいた。
何もしないで寝ているのも辛く、昔、買ったDVDの映画をみていた。

ゴッド・ファーザーPART1から3を見ていて、やはり、PART1と2は、いい作品だなと思った。
この2つの作品の魅力は、何より、PART1では、マーロン・ブランド、PART2では、ロバート・デニーロという二人の役者の力量によるところが大きい。

主役であるアル・パチーノも悪くはないのだが、優等生的な演技で、枠に収まっている感じだ。

マフィア映画、日本でいえば、ヤクザ・任侠映画のジャンルだから、普通なら絶対好きになれないジャンルの映画なのだけれど、それでも好きになってしまったのは、上記の2人が演じた父親と家族の関係を濃密に描いているところが私にとって魅力的なのかもしれない。

一方で、PART3は、格段にランクが落ちる。
ストーリーも粗いし、役者もPART1・2に比べると、今ひとつ。

この映画には、監督であるフランシス・フォード・コッポラの娘であるソフィア・コッポラも、マイケル(アル・パチーノ演じるマフィアのドン)の娘として登場している。
きれいで目立つタイプの娘なのだが、やはり、素人というか、役に溶け込んでおらず、変に浮いてしまっている感じがある。

それでも、父親であるマイケルとダンスを踊るシーン(PART1から3を通し、ダンスのシーンは名場面のひとつ)などは、見ていると胸が熱くなってしまうものがある。
PART1と2の余韻だけで見せてしまう映画。それが、ゴッド・ファーザーPART3なのだと思う。

監督のコッポラにとっても、この映画は出来不出来にかかわらず、大きな意味を持つ作品であることは、マイケルに課される最大の罰(娘が自分のために殺されてしまうというシーン)ということからも推測できる。

それは、PART1・2に比するキャストも脚本も用意できなかったコッポラが、金のために撮ってしまった映画において、あたかも、自分自身を最大限に罰しているように、私には思える。

#インフル明けに久々に街を歩いたり、仕事をしたり、満員電車に乗っていたら、こんなに世界は楽しいんだ!と、妙に感動してしまいました(頭がおかしくなってしまったのか?)。

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