2012年12月10日月曜日

NHKスペシャル救えなかった命 ~双葉病院 50人の死~

原発事故が起きた際、福島の人たちが、政府の混乱した避難指示のもと、避難場所を次々と変えなければならなかったことは記憶にある方が多いと思うが、福島第一原発から4.5キロの場所にあった双葉病院からの避難で、実に50人ものお年寄りが亡くなったことは、それ程、知られてはいないのではないだろうか。

http://togetter.com/li/419761
番組では、原発事故から3日間に起きたことを紹介していた。
政府の原発から10キロ圏内の避難指示により、寝たきりの高齢者の患者さんたちを避難させなければならなかったが、行政が用意できたのは5台の観光バス。当然、医療機器も付いていない。

日ごろ、点滴をして寝たきりの患者さんたちを、座席に座らせ、200キロもの距離を13時間かけて避難場所まで搬送したという過酷きわまりない避難の実態にも驚いたが、そのバスに手違いで医療スタッフが誰一人付き添わなかったということにもショックを受けた。

寝たきりの患者の受け入れ先の病院が見つからず、着いた避難場所は学校の体育館。
避難場所に着いたとき、バスの中ですでに3人の方が亡くなっていたというが、その後もひどい。

医療機器もない体育館の冷たい床にマットを引き、2日間寝かされ、さらに11人が亡くなった。
その後も、移動先で亡くなった人をあわせると50人。

結果的にお年寄りの多くを救えなかった医療現場の人々がいまだ罪悪感にさいなまれているインタビューが映っていたが、この人たちも、ある意味犠牲者なのかもしれない。

番組の後半では、この悲惨な出来事を受け、災害時、いかに自力では避難できない高齢者・障害者(災害弱者)を救うかを、各地方の医療機関の方が訓練し、検討している状況が紹介されていた。

選挙戦で、防災・減災を訴える政党もあるが、その対策を行うにあたっては、何より現場の声を聞いて、地方に権限を委譲してほしい。

こういった取り組みは医療機関だけの話ではなく、在宅看護の家庭も含め、地域ごとに真剣に議論されるべきテーマだと思う。

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