2012年2月10日金曜日

本当のリーダーって?

鷲田清一のエッセイ集?「噛みきれない想い」を読んでいたら、うーん!とうなってしまうような事が書いてあったので、紹介します。

それは、リーダーの資質について書いた短文なのだが、書店に並んでいるリーダー論、心得を説くマニュアルで描かれた「優等生」的リーダーと比較するように、著者が、かつて人づてに聞いた松下幸之助の言葉だった。

松下幸之助は、成功する人が備えていなければならないものとして、以下の3つを挙げたという。

1.愛嬌
愛嬌のある人にはスキがある。だから、周りをはらはらさせて、私がしっかり見守っていないとという思いにさせる

2.運が強そうなこと
その人のそばにいると、何でもうまくいきそうな気になる。そのハツラツとした晴れやかな空気に乗せられて、冒険的なことにも挑戦できる

3.後姿
その人の後姿に、目がいってしまう。何をやろうとしているのか、何にこだわっているのか、つい考える

上記3つに共通しているのは、見る人を、受身ではなく、能動的にする人だということ。

そして、今の政治や企業のトップの多くは、みんな、間違いやスキがあってはならないという「優等生」タイプで、上記3つの要素を持ち合わせていない人々だと分析している。

また、そのようなリーダを選んでいる私たちの社会が、異端を嫌い、同じかどうかを重視する友人関係、ちょっとした失言、不祥事で弾劾をはじめるマスコミ、それに反応する直情的な視聴者など…によって成り立っていることに起因していることも指摘している。

みなさんは、上記3つからイメージする人は、周りにいますか?

私は、残念ながら、司馬遼太郎が描く 秀吉しか、イメージできませんでした。

しかし、こんな短文で、世のリーダー論を、バサッと切ってしまう鷲田清一と、そんな事を見抜いていた松下幸之助は、すごいなと思いました。

★2/19追記
 後で思いましたが、上記3つのイメージに近い人物として、坂本竜馬がいることに思い当った。
 愛嬌、後姿なんかでは抜群に魅力があった人ではないだろうか?

2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    僭越ながら私見を述べさせて頂けますならば・・・
    上記3つのイメージ&貴殿のイメージを踏まえまして、
    私は司馬遼太郎氏が描かれました、
    “空海”をイメージしました。

    出来る事ならば、魅力的なリーダーのもとで
    社会生活を謳歌してみたいものであります。。。

    それに致しましても、
    「噛みきれない想い」
    なんとも味わい深いタイトルですね。

    貴殿のご紹介くださる御本に全て興味が湧きます。
    さて、今宵も手帳にメモで御座います。感謝。

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    1. MiKiさん。こんばんは。
      コメントありがとうございます☆

      空海…確かにすごい人ですね。
      私も「空海の風景」を読みましたが、唐に行ってからの活躍とか、実力もあるのでしょうが、日本に戻るタイミングなんかは相当に運が強そうですね。

      司馬遼太郎が、信長、秀吉、家康の三人が現代に生きていたら、信長は芸術家、秀吉は票あつめが天才的に上手い政治家、家康が高級官僚と書いているのを読んで、なるほどと思いましたが、空海は現代に生きていたら何をしているんでしょうね。ちょっと想像がつきませんね。

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