2013年8月1日木曜日

麻生副総理の歴史認識を疑う

全く信じられないような発言をしたものだ。
もちろん、麻生副総理の憲法改正をめぐる発言のことだ。

*発言の全文
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html
「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」
音声で聞くと冗談のようなトーンで発言していて、会場からは笑いもおきていた。
しかし、明らかに非常識な発言だ。

民主主義を否定するナチスのやり方で、日本の憲法も改正すればいい、という趣旨に誤解されても仕方がない発言だ。

内外から批判が高まる中、釈明(原稿の棒読み)をして、ナチスの部分の発言を撤回したようだが、

「憲法改正については落ち着いて議論することが極めて重要だ。喧騒にまぎれて十分な国民的理解、議論のないまま進んでしまった悪しき例としてあげた」

という説明も、よく分からない。そもそも、「喧騒」とは何のことだろう。

発言を見ると、自民党の中の憲法部会の議論を引き合いに、怒鳴りあいもなく議論をしたことを、「自民党のすごいところ」と褒めているが、要するに、野党や他国(自分たちと異なる考えを持つ人々)に、とやかく言われたくない。黙っていれば、俺たち自民党の案を、国民は理解して受け入れるのだから、と言っているようにしか思えない。
(この考え方自体、幼稚で危険なものだし、日本国民を馬鹿にしていると思う)

その本音が思わず、ぽろっと出てしまったのが、今回のナチス発言の真相ではないかと思う。

しかし、皮肉なことに、悪しき例とたとえたナチスのやり方と比較しても、今回の憲法改正をめぐる発言は、相当にお粗末なものになった。
少なくとも、麻生副総理がいる現政権が推し進める憲法改正は危険だという認識を、私は強く持った。

ナチスの歴史的な評価は、小学生でも知っていることだが、この発言をすることで、ユダヤ人の人々やドイツ国民がどう思うかなどということは念頭になかったのだろう。

また、安部政権が憲法改正をして国防軍を持つことを明記することに積極的な点について、右翼化の傾向にあることを批判し、歴史認識が異なることでも争っている中国、韓国が、この発言をどう捉えるかも念頭になかったのだろう。

そういった配慮も想像力もない人は、本来、政治家になれないし、ましてや総理大臣の職に就くはずもないし、現政権のナンバー2になるなんて、あり得ないはずなのだが。

石原慎太郎の「三国人」発言、橋下徹の「従軍慰安婦」の発言、今回の麻生副総理のナチス発言とくると、自国民でも、日本の政治家の歴史認識は相当におかしいという印象を持ってしまう。

まして、諸外国に対しては、日本の政権および日本人の歴史観はやはりおかしいと印象付けた決定的な出来事になったと思う。

言っていいことと悪いことがある。子供でも分かることだ。

私は、完全に辞任に値する発言だと思う。

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