十二歳の肥満児の女の子が、十八歳の美しい女性テロリストになる過程を描いた物語だ。
しかし、ほとんどポルノに近いほどのセックス描写と冒涜的な行為に溢れている。
お告げと呼んでいるもう一人の自分の声に忠実に従うことで、少女は、アブノーマルな大人たちとのセックスと冒涜的な行為を、これでもかという程に犯していくのだが、今ひとつ、リアリティが感じられなかった。
近い物語としては、谷崎純一郎の「卍」だろうか。
共通点としては、女性の独白で語られるという点と、レズビアンを取り上げているところだ。
ただし、この物語では、モラヴィア自身と思われる作家が、合の手のように女性に質問しながら、物語が進む。
個人的な感覚としては、「卍」の方に軍配をあげる。
モラヴィアは夫婦を描いた作品の方が質が高いのではないだろうか。
*この8月は、モラヴィア漬けで、ちょっと疲れました。
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