今回の震災に関して、日頃、よく読んでいる作家のコメントを、ホームページで見た。
① 村上春樹さんのスペインのカタルーニャ国際賞授賞式でスピーチ
② その村上さんに対する藤原新也さんの批判
③ 山崎正和さんの「震災克服の展望」
④ ドナルド・キーンさんの日本への帰化宣言
⑤ 丸谷才一さんの「そのときは皇居を開放せよ」
⑥ 池澤夏樹さんの3.11
インパクトを受けた順番でいうと、③、⑤、②、④、⑥、①かな。
あれだけの大きな出来事だったので、皆さん、色々考えて本をまとめられているところなのだろうが、やはり、インターネットのよさは、即時性だろう。その良さがでているのは②だと思う。
③の山崎正和さんのコメントを最初に新聞で読んだ時、この人は本気でこんなことを考えているのだろうかと思ったが、今の状況では、原発稼働の問題が根本的に解決しない限り、日本から海外への工場移転が進むのだろう。
(今日の新聞では、韓国が、かなり日本に比べて好条件らしい。電気料・人件費は日本の3分の1、法人課税税率は2分の1のほか、FTA(自由貿易協定)をヨーロッパと締結していて関税面でも有利らしい)
④のキーンさんのコメントは、日本の歴史を見通してきた識者の重みと温かさがある。
⑤の丸谷さんの主張は、言われてみて、あっと思うような考えだ。
目に見えないタブーに風穴をあけるところが、いかにも丸谷さんらしい
①は、ある意味、そうですねと多くの人が支持しそうな意見だが、インパクトという点では、ちょっと弱い気がする。
個人的に一番、被災者目線で、共感できたのは、⑥の池澤さんのコメントだろうか。
著書の「楽しい終末」の原発の文章も久々に読んだ。そうです。みんな、気づいていたんだよね。
ただ、正直にいうと、これらの名だたる方々のコメントより、インパクトを受けたのは、池澤夏樹さんの娘さん 池澤春菜さんのブログだった。(何だ、そりゃ)
ケロロ軍曹などのアニメの声優をやっているのも驚いたが、神奈川県川崎市育ちということで、2度ビックリ。(親父さんとは別々に暮らしてた?)
また、震災後のブログをパラパラと読んでいたら、なかなか、知恵があって生活力のある女性であることが分かった。池澤夏樹の作品「マリコ/マリキータ」に出てくる女性に近いイメージを感じた。
(親父さんに対するコメントは出てこないが、なんとなく、飼っている犬が親父さんぽい)
しかし、結論からいうと、こんな娘さんを育てていながら、読者に対しては、あくまで自分のスタイルを維持する池澤夏樹さんの人間としての器が大きいということに帰結しそうである。
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