映画館で「カンフーパンダ2」を観る。
パンダの仲間のカマキリが、敵に捕らわれたときに、
「どうせなら、メスに食べられて死にたい」と言ったのに、ちょっと
笑ったが、虎・猿・鶴といった仲間たちと戦うパンダを見ていて、
私の頭は、ふと「西遊記」を思い浮かべていた。
「悟浄歎異」
中島敦のこの作品を読んだのは、ある大学の赤本の国語の問題文だった。
天才的な悟空、欲深い八戒、慈愛に満ちた三蔵法師のなかで、なんとなく
影が薄い悟浄が、三人を分析するこの短編を読むと、心が落ち着く。
(思い出してみると、悟浄も不眠症にかかっていた)
晩年(といっても、中島敦は三十三歳で早逝した)、南洋に関する作品
「環礁」を書いている。
南方の気だるさとはかなさを秘めた人々、病気に侵された作者、突然のスコール…
中島敦の文章は、宝石のように美しい漢語がちりばめられていて、読んでいて、
気持ちがいい。
中でも、「夾竹桃の家の女」という短編は、彼の作品の中では、めずらしく、
エロチックなシーンがあって興味深かった。
だいぶ、意識がパンダから離れてしまった…
(悪い作品ではないと思います)
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