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あの日、日本でクーデターが起きていた。そんなことを言われても、ほとんどの人が「何 をバカな」と取り合わないかもしれない。しかし、残念ながら紛れもなくあれはクーデタ ーだった。そして、それは現在も進行中である。
以下、元の記事
今日、プライムニュースで特集していた 「違憲論」と安保法制 憲法・政治・国際情勢 交錯する論点徹底整理が、とても面白かった。
http://www.bsfuji.tv/primenews/
就中、参加していた東京大学の石川教授(憲法学者)の説明が面白かった。
石川教授は、今の安保法制を、「ホトトギスの卵」と評していて、
(ホトトギスは、ウグイスの巣に卵を産み付け、ウグイスは、ホトトギスの卵とは知らずに育てるが、やがて、孵ったホトトギスの雛は早く大きく育ち、ウグイスの卵や雛を巣から蹴落とす)政府は、昨年5月に閣議決定した安保法制を、いかにも現行憲法で認められた範囲の個別的自衛権(ウグイス)と実質的に変わらないものとして、国民に説明してきたが、今年6月4日の憲法審査会の憲法学者の違憲見解を機に、本当は、集団的自衛権(ホトトギス)であることがばれてしまって、にっちもさっちもいかない状況になってしまったのが現状だと説明していた。
実にたくみな比喩だと思う。
国内向けには、ウグイスと説明して、アメリカには、ホトトギスと説明している(アメリカ議会上下両院での安倍首相の演説、日米防衛協力指針ガイドラインの改定)という指摘も、いちいち納得がいく。
また、政府が、砂川判決を、集団的自衛権が認められる根拠として主張しているが、何が争点となっていた事件なのか、その文脈を無視して、判決文のテキストの都合のよい部分だけを拾い上げるのは、全くのナンセンスだということも説明していた。
石川教授は、政府側も、この砂川判決に根拠を求めることに無理があることは分かっているが、憲法学者の違憲見解が出てしまったために、そこまで無理をしないと、依って立つ根拠がない状況になっているのだろうとコメントしていたが、おそらく、それが事実なのだろう。
さらに、この砂川判決の有名な法理論である統治行為論「一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」という基準に照らすと、今の安保法制は、「一見してきわめて明白に違憲無効と認められ」る可能性が非常に高い法案だという事も述べていた。
最後のほうで、石川教授は、憲法学者が安全保障環境の変化の脅威には全く意識を払っていないという批判に対し、目先の脅威に対応するために、国民の自由(憲法によって政府の権力から国民の基本的人権を守る)を犠牲にして、政府が暴走するというリスクもあるので、安全保障という観点とは異なるが、自由を守る(ルール〈憲法〉を守ることによって保障される)ことに意識を払うのは当然であると主張していたのも非常に納得がいく説明だった。
石川教授も言っていたが、実態がホトトギスである以上、ホトトギスとして育てることができるように、憲法改正を行うのが、やはり、適正な手続きなのだ。
国会は、過去最長となる95日間の大幅な会期延長を決議してしまったようだが、この安保法制だけに関して言えば、入口から間違えてしまったのだから、一度、撤回してしまったほうがよい。
安倍さんのアメリカに対するメンツはつぶれてしまうのかもしれないが、国民の自由を守ることの重要度とは比べものにならない。
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