2015年6月12日金曜日

憲法学者が非難される時代

先週行われた憲法審査会で、3人の憲法学者が、今の安保関連法案は違憲であると発言したことは、実に大きかったと思う。

憲法学者が、ここまで存在感を発揮したのは、戦前、天皇機関説を主張し、軍部と右翼から非難を受けた憲法学者の美濃部達吉以来ではないだろうか。

違憲を主張する憲法学者を非難し、蔑ろにしようとしている安倍政権のこれまでの発言と、一部の新聞社の記事を見ていると、日本がこれから物騒な時代に入ろうとしている警告音のように感じる。

憲法というのは国の根幹だ。
平和、自由、平等、幸福追求。

今では当たり前すぎて、空気のように何も感じないが、それが無くなると大変なことになる我々の生活の基盤のようなもの。

今の日本国憲法を、アメリカから押しつけられた憲法であるかのような発言を目にするが、仮にそうだとしても、そこに謳われている価値観を否定する必要がどこにあるのだろうか。
戦後70年、我々が平和に暮らすことができたのは、間違いなく、この憲法が日本を戦争から遠ざけてきたおかげである。

その憲法の重要な要素である平和主義を骨抜きにして壊そうと、憲法違反の法律を強引に成立させようとしているのが今の安倍政権だ。

大臣、国会議員を含む公務員は、日本国憲法 第99条に基づき、憲法の尊重擁護の義務を負っている。もし、強引に、この安保関連法案を成立させようとするならば、彼ら自身が憲法違反を侵したことになるだろう。

安倍政権が、唯一できるのは、正面から、憲法改正を発議し、国民の信を問うことである。
私は反対だが、これで憲法が改正されるのであれば、それはやむを得ないことだと思う。

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