- 生徒からカメレオンを貰う話
- 実務的・現実的な同僚 吉田の話
- 夜空の星座の話
- ゲーテの「詩と真実」の話
- Operaという単語からの連想
- 自分の生き方をめぐる考察
- 不眠症の話
- 体調不良と薬の話
- 自分の体内の臓器に関する考察
- 失望しないための決心に関する考察
- 和歌五首
- 常識・慣習から離れた自由に関する考察
- 自己を責める悪癖について
- 三連休の睡眠と体調不良について
- カメレオンを見ながらの眠気と字を書くことの億劫さ
- 自分の精神のあり方を説明していたある文章の一節
- 同僚 吉田の処世術に関する話
- 幸福に関して、老子からの引用
- 暴力、腕力に対処すべき方法
- カメレオンを上野動物園に預ける話
- 赤ん坊を抱いた元音楽教師を見つめる女教師(未婚の老嬢達!)の視線について
- カメレオンからかつて飼っていたインコ、オウムへの思い
- 同僚 Kの高等教員検定試験合格の話
- 横浜山手の外人墓地の散策
- エウリピデスの作品の一節
これのヒントになるかどうかは分からないが、文中で、中島が自己の精神の欠陥であるかのように以下の通り説明している。
正に「かめれおん」にふさわしい中島敦の精神世界の多様性とでも言うしかない。
ものを一つの系列――或る目的へと向って排列された一つの順序――として理解する能力が私には無い。一つ一つをそれぞれ独立したものとして取上げて了う。一日なら一日を、将来の或る計画のための一日として考へることが出来ない。それ自身の独立した価値をもった一日でなければ承知できないのだ。一つのテーマに結び付ける工夫をしたり、全体のバランスを調整して書くという手法以前に、これだけの多種多様なテーマが頭の中で渦巻いていること自体、稀有なことではないか。とても、常人が書ける代物ではない。
正に「かめれおん」にふさわしい中島敦の精神世界の多様性とでも言うしかない。
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