2011年12月7日水曜日

ランボーにまつわる話

その昔、サントリーのウイスキーのCMで、アルチュール・ランボーを題材に取り上げた幻想的なCMがあった。

そのCMにすっかり魅せられて、本屋に行って、ランボーの詩集を買い求めた人は多いのではないだろうか?

私の場合、新潮文庫の堀口大學訳の「ランボー詩集」だった。

それまで、詩なんかろくに興味もなかったが、「飢餓の祝祭」のような吐き捨てるような強烈な言葉は、中学生が読んでも、そのパワーが十分に感じられた。

その後、期間が空いたが、大学生の時代に、小林秀雄の「考えるヒント4」を読み、そこに収録されているランボーへの憧憬というのだろうか、独特の陶酔ぶりが伝わってくる文章と詩集を読んで、またランボー熱に冒された。

しかし、何といっても、ランボーの人生そのものが一片の詩のように美の創造と破壊そして謎に満ちているところが最大の魅力ではないだろうか?

ランボーは、詩人ヴェルレーヌに絶賛されながらも、二十歳で詩作を止め、ヨーロッパ、アフリカの諸国を巡りながら、教師、兵士、サーカス団の通訳、武器商人、隊商の頭、探検家などなど様々な職を転々とし、三十七歳の若さで死んだ。

個人的には、「俺は、夏の夜明けを抱いた。…」からはじまる、飾画(イリュミナション)の「夜明け」が、すごく好きです。



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