昨日、BSで「幻魔大戦」のアニメ映画を放映していた。
おそらく、中学生の時に映画館で見て以来だったので懐かしかった。
当時としては最新のアニメ映画だったのかもしれないが、今見るとさすがに古さは否めない。
また、ストーリーとか、人物の描き方も荒いし、かなり欠点が目立っていた。
しかし、それでも物語の結末が明確に提示されている点で、小説版の「幻魔大戦」より、ある意味マシではないかと思ったりした。
私も中学生の時に角川文庫の小説版「幻魔大戦」を読んでしまい、1巻から3巻までを読んで大きく期待を膨らませ、20巻まで読んで幻滅してしまった読者の一人である。
平井和正の小説は、レイモンドチャンドラーのフィリップ・マーロウを思わせるウルフガイシリーズも好きで、私は自分で言うのも何だが、かなり熱心な読者であった。
なぜ、主人公の東丈に、救世主的な、新興宗教の教祖的な役割をおっかぶせてしまったのか、返す返すも悔やまれる。
そうやって、どんどん主人公を神格化してしまったせいで、人間的な魅力が失われてしまい、神隠しのように物語途中で主人公を消失させるしかなかったのかもしれない。
その結果、物語の魅力は大きく失われ、幻魔大戦 → ハルマゲドン → 中途半端に終了。
真幻魔大戦 → 中途半端に終了という、ある意味、残念な結果に終わったのだろう。
*私の場合、ここでこの物語からは手を引きました。
この後、電子図書で続編が書かれているようなのですが、色々なネットの声を聞くと、これは読める物語ではないなという印象でした。
http://www.ebunko.ne.jp/genmasy.htm
でも、少年期に読んだ物語というのは、ある意味、強烈に記憶に残ってしまっていて、解消されないフラストレーションに困っている。
4巻から書き直して、物語を真夏のニューヨークで繰り広げられた幻魔との戦いから軸をずらさなければ、はるかに面白い物語が生まれるはずだったのでは?
そんな思いが消えなくてしょうがないのだ。
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