2014年9月21日日曜日

終物語 中/西尾維新

本書は、猫物語(白)の事件と同時期に、阿良々木暦と神原駿河が巻き込まれていた別の事件の物語だ。

吸血鬼である忍野忍(キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)の最初の眷属であった"初代怪異殺し"が復活し、忍野忍に復縁を迫るという、ある意味、男女関係のもつれみたいなものが物語の根本なのだが、吸血鬼化した彼が復活することで、"この街"の安定が乱れるのを阻止するため、臥煙伊豆湖とバンパイア・ハーフのエピソードが、"初代怪異殺し"の完全復活を阻止しようと、阿良々木暦と神原駿河に仕事を依頼するところからはじまる。

猫物語(白)で謎だった以下の事柄

羽川が野宿をしようとした学習塾跡のビルが、なぜかボロボロになっていたこと、

ビルが火事になった時の様子、

阿良々木が神原に依頼したこと、

猫物語(白)で、羽川翼が遭遇していた臥煙伊豆湖とエピソードが当時、何をしていたか、

羽川翼の自撮り写真を阿良々木が受け取った際の状況、

阿良々木が羽川翼に駆けつけた際、なぜ、彼の服がボロボロになっていたか等

が、明かされる。

正直なところ、物語としては、忍野忍と神原駿河の喧嘩の場面、阿良々木が神原に頼まれて買ったBLの本と、臥煙伊豆湖似の熟女写真集が、それぞれ、エピソードと臥煙の手元に渡ってしまったしまったというオチ以外は、今一つという印象だった。

特に、"初代怪異殺し"という男と、忍の関係が、どんなものだったか、リアリティを感じるほど、深く語られておらず、平板で奥行きがないと感じたせいだと思う。

でも、たぶん、アニメだったら、そこそこ面白いものができると思う。

これで、ついに全部読み切ってしまった。
しかし、なんと、続・終物語という本が、今月、出版されたらしい(どんな内容なんだろう)。

話がずれてしまうが、どんな内容なんだろうと言えば、本書に出てくる 山本周五郎の小説「美少女一番乗り」も、とても気になる(題名がすごい)。

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