この本は、日本人が書きがちな、ちょっとおかしな英文、下手な英文を見本にして、何が悪いのか、何が野暮ったいのかを分かりやすく説明している本なのだが、一読して、ことごとく、自分が書いてきた英文が見本になっているのではないかと錯覚をおかしてしまう程、私にはぴったりの本だった。
200ページ程の薄い岩波新書だが、以下、私がためになった点を羅列してみよう。
・「AのB」を表現するときは、カンマやin、toで代用し、of の多用を減らすことができる
・副詞(only,just)は、文頭でなく、修飾する語の直前に置く
・practicallyは、「実際には」「実用的に」より「ほとんど~も同然」の意味が一般的であること
・接続詞(because, and, since, as, so, for)は、因果関係の強弱でいうと、soがbecauseやsinceより因果関係が強く、andが緩いつながりには最適であること
・as,forは、文章などフォーマルな場面で用いるのに適していること
・so と veryの使い方
・As a resultは強い因果関係がある場合のみ
・becauseは、通常、単独の文章でなく、従属節でしか用いないこと
・I think は、意見を述べる場面でもないのに使用すると不自然になる
・however, for example, of course, consequently,obviously等の副詞・副詞句も、文頭に置かず、文中に置くほうが洗練された文章になること
・「等」は、and so on より、 etc. のほうがよく、もしくは、such...as、includingを使う方法もある
・今日(こんにち)は、These days より、At present, Nowのほうがいい
・分詞構文は、becauseの代わりになること
以上である。
特に接続詞について、私は、上記とは、ほぼ正反対の感覚で使用していた(soを緩い感覚で使っていた)ので、非常に勉強になりました。
読んでいて思ったのは、しかし、結局、自分が伝えたいことがなにかをよく考え、整理してから、文章を書くことが重要なのだという当たり前のことでした。
この本の中でも、「当たり前のこと」、「子供でも知っていること」を、冒頭の文章に書くことは、特に英語圏の読者には、誰のために、こんな当たり前の事を書いているのだろう?と、印象を害することになってしまう点を指摘している。
最も、読者に伝えたいことは何なのか、頭の中で吟味してから、一文を書く。
これは、日本語の文章でも同じことだと思う。
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