2014年4月25日金曜日

NHKスペシャル シリーズ 廃炉への道 第2回 誰が作業を担うのか

福島第一原子力発電所の廃炉作業。

放射能の危険が伴うし、防護服を着て行う作業は、かなりの重労働に違いない。

この作業に従事してくれる人々のおかげで、福島第一原発事故の小康状態が保たれている。

しかし、この重要な作業の給料単価が、1日当たり4000円も下がっているという。

原因は、東電が廃炉作業の発注を、競争入札方式に変えたことが原因らしい。
(東電自体、経営環境が厳しいのだろうから、やむを得ないとも思う)

東電も、作業環境の改善や労務単価の引き上げなど、要員確保に向けた対策に乗り出したようだが、この廃炉作業の業界は、多重下請構造になっているため、東電が労務単価を1万円値上げしても、元請け(ゼネコン)→ 一次請け → 二次請け → 三次請け…と仕事が下りてくる段階で、数千円から数百円に減額されてしまうらしい。

危険と隣り合わせで、給料まで安いというこの状況で、誰がこの仕事に魅力を見出すというのか。

番組では、除染は国が発注元のため、直接作業者に手当として1万円支給できている実態を説明していたが、仕事の重要度を考えたら、廃炉作業も、国が発注元になり、早急に労働環境の改善を図るべきだ。

廃炉作業は今後40年かかると言われているが、日本はまだその入口に立ったところだ。
それにもかかわらず、原発事故から3年経ち、作業者の確保が難しくなっているという。
原子力産業への就職希望が事故後は三分の一まで落ち込んだらしい。

さらに深刻なのは、下請業者が今後、廃炉作業を受注することについて、5割弱が消極的な姿勢になってきていることだ。

また、日本の今後の少子化により、作業者数は右肩下がりで減少していく予想になっているらしい。それに、作業者の線量限度というものもある。

日本では2020年には燃料デブリの回収が始まる予定になっている。
この回収は、スリーマイル原発の廃炉作業の時にも、技術的にも熟練した作業者を多く必要としたらしい。

回収作業においてより困難を極めると予想されている福島第一原発では、さらに多くの熟練した作業者が必要となるだろう。

こういった状況を考えると、40年間の廃炉作業を支える人々をいかに確保するかを、国は真剣に考えなければならない。

多くの人々が就職したいと思うような労働条件とインセンティブが必要だ。

チェルノブイリの事例では、国主導で平均の1.5倍の給与と、手厚い健康管理体制が整備されており、国から作業者に配布される感謝のメダルも紹介されていた。

何より、作業者の方が、自分たちの行っている仕事がとても重要であるということを、日々実感できるように、日本社会全体が彼らを継続的に注視し、その業績を価値あるものと認めるように変化していくことが重要だと思う。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0425/

0 件のコメント:

コメントを投稿