2012年7月29日日曜日
MAHLER/Ken Russell
久々に、ケン・ラッセルの映画を見た。
この「マーラー」も、二十年ぶりぐらいに見たような気がする。
オーストリアの有名な作曲家 グスタフ・マーラーの半生を描いたもので、ニューヨークでの仕事を終えて、ウィーン行きの列車の中で、妻 アルマとの仲がよいとはいえないやり取りの中、マーラーの過去が随所でフィードバックされていく。
マーラーをピアニストにして金儲けをすることに情熱を注ぐ家族、ユダヤ人としての差別、ブラスバンドが嫌いになった理由、不遇のうちに精神病を発症した作曲家の友達、カトリックに改宗した訳、同じ作曲家を目指していた弟の自殺、若い魅力的な妻に言い寄る男たちに悩まされる妄想…
ケン・ラッセル独特の毒々しい映像も見ていて懐かしかった。
中でも、マーラーがウィーン歌劇場の監督になるために、ナチスの格好をしたコジマ・ワーグナー(ワーグナーの妻、ワーグナーの死後も音楽界に影響力を持っていた)に取り入ろうとするシーンには、思わず笑ってしまった。
作品中でも軍人から言い寄られる妻 アルマは、魅力的な女性だったようで、マーラーとの結婚前には、画家のクリムトとも恋仲だった。
マーラーとの結婚後も、自分の肖像画を描きに来た画家のオスカー・ココシュカと激しい恋に落ち、マーラーの死後、ココシュカが第一次世界大戦で出征すると、建築家のグロピウスと再婚し、グロピウスも出征してしまうと、今度はユダヤ人の若い詩人と恋をするという忙しさだった。
ケン・ラッセルの映画の中でも、それ程、印象に残る作品という感じはしないが、作品中、マーラーの交響曲がたくさん聞けるところは、お勧めかも。
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