2018年11月4日日曜日

J・ハバクク・ジェフスンの遺書・あの四角い小箱/コナン・ドイル

「J・ハバクク・ジェフスンの遺書」は、乗員乗客十四名を乗せて、アメリカのボストンを出航し、ポルトガルのリスボンに向かっていたマリー・セレスト号が、1か月後、無人の状態で海洋を漂っていたところを発見される。

一体、船で何が起きたのか?
その事実を乗客の一人で、唯一の生存者であった結核症専門医ジェフスン博士が告白するという物語だ。

船では、船長の妻と子供が行方不明になり、次いで気落ちした船長がピストル自殺する事件が立て続けに起きる。それらは事故・自殺と思われていたのだが、実は...

まだ船が主要交通の手段であった時代の白人たちは、この物語を読んで戦慄が走ったことだと思う。

冒頭、ジェフスン博士が黒人の老婆からもらった黒い石の正体が、物語後半で明らかになる。

「あの四角い小箱」は、同じくアメリカのボストンを出航しヨーロッパへと向かう遠洋航路の蒸気船に乗り込んだ文筆を稼業とする神経質な主人公が、引き金がある謎の小箱を持ち込み、不審な計画を話し合う二人組の男らを見つけ、彼らが船の爆破をたくらんでいるのではないかと疑う物語だ。

偶然乗り合わせていた主人公の友人は、過去に主人公が幽霊を見たと大騒ぎした事件(真相は主人公が鏡に映っていただけ)を取り上げ、主人公の話を全く真剣に受け取らない。

それでも執念深く、不審な二人組を監視していた主人公は、ついに小箱の引き金を引こうとする二人組を見つけ、制止しようとするのだが、実は...という物語だ。

この二つの物語、とてもバランスよく配置されている。
いずれも映画化されていても、おかしくないような作品だ。

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