鷲田清一のエッセイ集?「噛みきれない想い」を読んでいたら、うーん!とうなってしまうような事が書いてあったので、紹介します。
それは、リーダーの資質について書いた短文なのだが、書店に並んでいるリーダー論、心得を説くマニュアルで描かれた「優等生」的リーダーと比較するように、著者が、かつて人づてに聞いた松下幸之助の言葉だった。
松下幸之助は、成功する人が備えていなければならないものとして、以下の3つを挙げたという。
1.愛嬌
愛嬌のある人にはスキがある。だから、周りをはらはらさせて、私がしっかり見守っていないとという思いにさせる
2.運が強そうなこと
その人のそばにいると、何でもうまくいきそうな気になる。そのハツラツとした晴れやかな空気に乗せられて、冒険的なことにも挑戦できる
3.後姿
その人の後姿に、目がいってしまう。何をやろうとしているのか、何にこだわっているのか、つい考える
上記3つに共通しているのは、見る人を、受身ではなく、能動的にする人だということ。
そして、今の政治や企業のトップの多くは、みんな、間違いやスキがあってはならないという「優等生」タイプで、上記3つの要素を持ち合わせていない人々だと分析している。
また、そのようなリーダを選んでいる私たちの社会が、異端を嫌い、同じかどうかを重視する友人関係、ちょっとした失言、不祥事で弾劾をはじめるマスコミ、それに反応する直情的な視聴者など…によって成り立っていることに起因していることも指摘している。
みなさんは、上記3つからイメージする人は、周りにいますか?
私は、残念ながら、司馬遼太郎が描く 秀吉しか、イメージできませんでした。
しかし、こんな短文で、世のリーダー論を、バサッと切ってしまう鷲田清一と、そんな事を見抜いていた松下幸之助は、すごいなと思いました。
★2/19追記
後で思いましたが、上記3つのイメージに近い人物として、坂本竜馬がいることに思い当った。
愛嬌、後姿なんかでは抜群に魅力があった人ではないだろうか?
こんばんは。
返信削除僭越ながら私見を述べさせて頂けますならば・・・
上記3つのイメージ&貴殿のイメージを踏まえまして、
私は司馬遼太郎氏が描かれました、
“空海”をイメージしました。
出来る事ならば、魅力的なリーダーのもとで
社会生活を謳歌してみたいものであります。。。
それに致しましても、
「噛みきれない想い」
なんとも味わい深いタイトルですね。
貴殿のご紹介くださる御本に全て興味が湧きます。
さて、今宵も手帳にメモで御座います。感謝。
MiKiさん。こんばんは。
削除コメントありがとうございます☆
空海…確かにすごい人ですね。
私も「空海の風景」を読みましたが、唐に行ってからの活躍とか、実力もあるのでしょうが、日本に戻るタイミングなんかは相当に運が強そうですね。
司馬遼太郎が、信長、秀吉、家康の三人が現代に生きていたら、信長は芸術家、秀吉は票あつめが天才的に上手い政治家、家康が高級官僚と書いているのを読んで、なるほどと思いましたが、空海は現代に生きていたら何をしているんでしょうね。ちょっと想像がつきませんね。