「妻に捧げた1778話」が話題になっているときに、作者が眉村 卓であることを知って、妙に納得したのを覚えている。
小学生時代、眉村卓の少年向けのSF小説(今は「ジュブナイル小説」というらしい)は、当時、姉の本棚にならんでいたせいか、よく読んでいた。「天才はつくられる」「深夜放送のハプニング」「奇妙な妻」「泣いたら死がくる」などなど。
角川文庫の独特の表紙もなつかしい。
こんな感じ。
好んで読んでいたのは、どちらかというと「ポケットのABC」「ポケットのXYZ」「ふつうの家族」といったショート・ショートものだった。
ポケットシリーズなんかは、無意味でアナーキーな作品が好きだったし、「ふつうの家族」は、何気ない日常生活自体にも起こりうる奇妙な瞬間を描いていて面白かった。
ポケットシリーズなんかは、無意味でアナーキーな作品が好きだったし、「ふつうの家族」は、何気ない日常生活自体にも起こりうる奇妙な瞬間を描いていて面白かった。
また、子供ながらにも、この人は、まじめなんだなと感じる部分が多い作家であった。
中学生ぐらいの主人公が多く出てくるせいもあるが、異性関係や性に関する描写はほとんどなかったような気がする。そういうところが、採用されたNHK『少年ドラマシリーズ』にもぴったりだったのかもしれない。
そんなまじめな作家が、がんで余命1年の妻のために、一日一話、気持ちが明るくなるようなショート・ショートを書いて読んでもらう。それが1778話続いた。
この背景を美談と感じてしまうせいだろうか、本を買ってみたのだが、残念ながら、昔のように、純粋にショート・ショート自体を楽しむことは出来なかった。
たぶん、毎日毎日、小さな物語を作る夫と、それを読む妻の光景が、ショート・ショートの物語を超えた大きな物語になってしまっているせいなのかもしれない。
こんにちは。
返信削除角川文庫の独特の表紙、懐かしいです。
私も夢中で読み漁っていました。
「まぼろしのペンフレンド」「なぞの転校生」
「ねじれた町」「地獄の才能」「ねらわれた学園」・・・
挙げたら切りがないですね♪
>また、子供ながらにも、この人は、
>まじめなんだなと感じる部分が多い作家であった。
とても共感出来ます、その感じ。
(同時期に筒井康隆氏も大好きでしたから^^)
最近、ようやく眉村卓氏の読売新聞の悩みの相談コーナーを
受け入れる(!?)コトが出来始めたところなんです。
眉村氏の、ある意味、綺麗事で済まさせない、
人間愛に裏打ちされているであろう辛辣な返答に、
納得しながらも、どうしても生々しい眉村氏を感じるのが
複雑な気持ちなのです。
氏のどのような返答を読んでも、最終的に
「自分はとても遠くへ来てしまったんだ」と感じてしまうんですよ^^;
遠い昔にも、貴殿とこうして交流を育ませていただけたなら、
最高だっただろうなぁ~って思ってしまいました。
それこそ、素敵な「まぼろしのペンフレンド」になって頂けたかも☆
長々と失礼致しました。。。
いつも素敵な記事を有難う御座います。
Mikiさん、こんばんは。
返信削除今回も暖かいコメントありがとうございます★
確かに、読売新聞の眉村さん担当の人生相談の回答は、ちょっと面白いですね。
その人の立場に立って、自分だったら、こうするという姿勢が他の回答者に比べると鮮明なような気がします。
だから、眉村さんの感覚にそぐわない相談(ひょっとすると殆ど?)だと、ちょっと突き放したような感じを受けるんだと思います。
でも、いつも真剣で、適当な言葉でお茶は濁していないところは好感が持てます。
素敵な「まぼろしのペンフレンド」……ペンフレンドという言葉もすっかり聞かなくなりましたが、とても光栄です☆
でも、小中学生の頃は、どうしようもないガキンチョだったので、たぶん理想的なペンフレンドにはなれなかったでしょうね。字も汚いし(^_^;)