2014年8月17日日曜日

花物語/物語シリーズ

原作は読んでいたのだが、大人げなく、やはり気になって見てしまった。

改めて、アニメを見ると、やはり、沼地蠟花という存在は何だったのかというのが、とても気になる。

神原駿河の中学時代のバスケットボールのライバルである彼女は、スポーツ推薦で進学した高校で、疲労骨折をしてしまい、家庭の事情もあり、学校を辞めてしまう。
これは、ネタバレになってしまうが、実は自殺で亡くなっている。

彼女が学校を辞めてから、何故、他人の不幸話と悪魔の体の部位を蒐集しはじめるのかを、神原 駿河に独白するシーンがあるのだが、彼女が学校を辞めた直後、自殺で死んでいる以上、その話は架空のもののはずだ。

しかし、悪魔の体の部位を蒐集しはじめるきっかけとなった花鳥櫻花の話なんかは、相談者の名前は嘘っぽいが、その中身は妙にリアリティがあり、切実なものに感じた。
(沼地蠟花の声優さんの声はイメージとは違ったが、いいと思う)
助けてくださいなんて、彼女は切実に言ってきた。
彼女は制服の下にジャージをはいていてね、だるんだるんのジャージだった。
ちょうど今、私が着ているような。
彼女は私の目の前で、そのジャージを脱いだ。
分かるよね。彼女の足は悪魔の足となっていた。
この足が勝手に私のお母さんを殺そうとするんです、と彼女は言った。
彼女には将来を誓い合った恋仲の大学生がいて、その男の子を身ごもったそうなんだ。
そして、その後、当然、親から大いに反対され、中絶するように言われた。
それで彼女は悪魔に頼った。
彼女は左足のミイラに祈ったのさ。
悪魔は母親を消すという形でそれを実行しようとした。
花鳥さんの足に憑りついてね。
失敗したんだ。それ自体は。
夜中にトランス状態になった花鳥さんは、同じ屋根の下で寝ていた母親を、しこたま蹴ったものの、結果、死には至らなかった。
母親を入院に追い込んだ犯人は自分であることはすぐに分かった。
そして、彼女はついに進退窮まったという訳さ。
その時、私は何を考えたと思う。
私は助けてあげたいと思ったんだよ。
だから、私は彼女を抱きしめた。
何も言わず強く強く力強く。
そして言った。「大丈夫。あなたの悩み事は私が全部引き受けた。絶対に解決してあげるから。だからもう、何も心配しなくていい。」 
そんな無責任なことを彼女の耳元で囁いた。
私の脳裏には、佐世保の事件を起こした女子高生の事が頭をよぎったし、もしかしたら、彼女は、父親を金属バットで殴った後、沼地蠟花のような存在を求めていたかもしれないと思った。

そして、それは神原駿河にとっても、同じだったのかもしれないということも。
彼女は、沼地蠟花という存在を必要としていた。

もし、沼地蠟花が幽霊だったとしたら、神原駿河が見たものは、彼女が心の奥底で求めていた助けが具現化したものであり、自分の罪の告白を聞いてくれて、彼女の暗い過去を洗い流し、背中を前に押してくれる理想の友人だったのかもしれない。

私は、沼地蠟花が神原駿河に話していた
「友達作ったり、恋したり、本読んだり、携帯いじったりしていればいいと思うんだ」

という科白が皮肉ではなく、実は神原駿河の本当の願いだったのではないかと思った。

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ところで、貝木泥舟の髭面は、阿良々木暦の不自然な長髪ほどではないが、ちょっと違和感を感じた。
その貝木泥舟と神原駿河が初めてあった場面は、やはり、神原駿河が町を出た理由について、オープンキャンパスで出かけていたというエピソードはいれてほしいと思った。

貝木泥舟とオープンキャンパスのミスマッチが原作を読んでいるとき、心に残ったからだ。

また、二人が駆けっこした駅は、明らかにJR品川駅をモチーフにしていたが、私のイメージでは、東急田園都市線 溝の口駅あたりが、ちょうど鄙びた感じでベストのような気がする。
(近くに学校もあるしね)

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