http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/0310.html
☆元委員の主な発言
・事故対策で日本は海外に遅れていた。
たとえば、アメリカの原発では備置されている簡易移動型のバッテリー機器などが福島の原発にあれば、メルトダウンは防げた可能性がある。(技術顧問)
・官僚が書いた文章だから手堅いが、読み手(ユーザ)を意識していない読みにくい報告書になった。
・原発事故による被害の全貌が分からぬまま、幕引きになってしまった。(女性弁護士)
(そもそも、この事故調査委員会には、裏方に検察庁、法務省、財務省などの官僚で構成された事務局があり、関係者への聞き取り調査や、報告書の大部分の執筆を行っていた事実がある)
・事故の再現実験をやるべきだ。事故の後に何が起きるのかを知るべきだ。
・特に、何故、圧力容器の水位計が誤った数値を示していたのかの再現実験をすべきだった。
このような誤りを起こす水位計は日本の原発の半数でいまだに使われている。(委員長の畑中洋太郎)
・原子力機構を担っている官僚機構の問題。この国は、中央官庁の課長級クラスが権限を持ち、物事を決定しており、その課長の能力次第で左右される。
・例として、オフサイトセンターで、放射性物質を遮断する空気浄化フィルターが設置されていなかった問題(これが原因でオフサイトセンターは今回使い物にならなかった)があり、総務省の勧告を受けながらも、何故対応しなかったか、対応見送りを誰が決めたのかまで追求できなかった。(技術顧問)
・緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が全く有効に使われなかったこと。発案した担当者の思想が後任者に引き継がれていなかった(放射線専門家)
・審議官クラスだけを実名として挙げても駄目で、どこのセクションの誰がそのような意思決定をしたのかが分からないと、問題の根本的な原因は分からない。報告書では、責任追及しないというポリシーだったため、幹部以外は組織名も明らかにできなかった(科学史専門家)
(実は原子力規制委員会の課長クラスも、旧保安院の課長クラスがスライドしてきただけという事実もある)
・総理大臣が30分でも1時間でも、この報告書に関して、委員と意見を交わす時間を持つべきだ。(川俣町長)
・政府事故調、国会事故調、民間事故調、いずれも報告が出ているが、決定版が出ていない。(技術顧問)
この番組をみて、つくづく思ったが、報告書を出せば、はい終わり、ではないのだ。
これだけの労力をかけて作成した報告書を生かすためには、原子力行政に対する定期的なチェックも必要だろうし、今回三時間でこれだけの問題点が挙がってきたということは、さらに調査・検討が必要になってくるだろう。
たとえば、廃炉までの40年間、国として、今回の委員に匹敵する人材を集めた事故調査委員会を設置し、継続的な調査を行ってもよいのではないだろうか?
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