2011年11月10日木曜日

サラサーテの盤

夏目漱石のマイナーポエットな作品(不思議、不気味系)の雰囲気を引き継いだ弟子の一人に、内田百閒(ひゃっけん)がいて、その代表的な作品の一つに短編「サラサーテの盤」がある。

読んでいただくと分かるが、鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」は、この短編の持つ不気味な雰囲気を実にうまく映像化している。

物語の隠喩的な役割として出てくるサラサーテ演奏のレコード「ツィゴイネルワイゼン」の中で、サラサーテが一瞬何かをつぶいている声が聞こえるのだが、それが何のか分からない。

(こういうレコードって昔はありましたよね。私が記憶しているのでは、岩崎宏美の「万華鏡」がそうでした)

役者も、最近亡くなった原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代、麿赤児、樹木希林と、名優が揃っている。

鈴木清順監督の映画の中では、一番好きな作品です。

鎌倉が舞台になっていて、この映画をみると藤田敏八が猫背で歩いていた「釈迦堂切通」とか、行きたくなってしまいます。

でも、サラサーテは何てつぶやいているんですかね…(3分36秒あたりです)

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