平井和正のデビュー作「レオノーラ」を、日本SF傑作選4で読む。
作品からは、これは確かに平井和正の作品だと思える特徴がいくつか感じられた。
一つ目は、人種問題。主人公の日本人のケンは、アメリカ人と思われる白人の暴徒に襲われ、顔を潰される。
この、Occupied Japanの感覚は、後のヤング・ウルフガイにもつながる部分がある。
二つ目は、アンドロイドのレオノーラだ。
この美しく従順に主人に仕える女性の存在は、後に、幻魔大戦、真幻魔大戦で東丈に仕える杉村由紀、杉村優里の原型のようにも思える。
そして、最後が人間嫌悪ともいうべき主人公ケンの絶望である。
この人類ダメ思想は、ウルフガイシリーズにとどまらず、幻魔大戦にも現れる平井和正の作風そのものと言ってもいいかもしれない。
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