この巻では、王太子 シャルル7世の信認を得たジャンヌが、ついに、国王軍として4~5千もの兵を率いて、イギリス軍に占領されているオルレアンの解放に出立する。
戦の常道に反するジャンヌの戦略を、軍に参加した代官が様々なかたちで邪魔をするが、神がかった彼女の行動に鼓舞された兵士たちの働きにより、立て続けに勝利を収める。
面白いのは、決して信心深いとは言えない兵士たちが、ジャンヌの存在に感化され、神を信じるようになり、自分たちが神軍であり、神に護られているという意識を持つところだ。
“死なない”と確信した人間は、想像以上の力を発揮するものなのかもしれない。
そして、わずか4日間の戦いで、ジャンヌは、オルレアンを解放し、民衆にも王にも熱烈に祝福され、彼女の人生は絶頂期を迎える。
史実が複雑なので、この3巻を読む前に、1巻、2巻を再度読んでおくと、物語の深みが増すと思う。
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