2017年3月12日日曜日

NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 避難指示“一斉解除” ~福島でいま何が~

3月末をもって、避難指示が解除される飯館村と、2015年9月に解除された楢葉町を取り上げていた。

この飯館村は、菅野村長が推し進める帰村に対し、村民が分断されている状態にあるらしい。

仮設住宅からすぐにでも自宅に戻りたいという人もいるし、戻りたくても戻れない人もいる。

その理由の一つに、いまだ、放射能の危険を無視できないという実態がある。

国は、避難指示解除の基準を、一般的な安全基準とされる年間1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベル)を当てはめず、年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)以下という非常に高い数値にしている。

そのうえ、飯館村の7割を占める山林については、除染をしていないから、部分的に線量が高いホットスポットが点在するのだ。

そして、私も実際に目にしたことがあるが、村には至るところに膨大な数の汚染土が入った黒い袋が山積みになっており、移動の目途が立っていないということだ。

こんな環境の中に、子供がいる家族が戻って来るのは難しいと思う。
(実際、村の学校には子どもの1割しか通学せず、ほかの地域の学校に行く見通しらしい)


原発災害の本質は、放射能が、家族や友人、地域をバラバラに分断していくことだ。

菅野村長のかつての友人で袂を別った長谷川氏が、言っていたことが重い。

楢葉町については、復興の試金石として期待されていたが、町民の一割程度しか戻ってこないため、町が復興施策として考えていたコンパクトタウンの実現もままならない状況だという。

人が戻ってこないから、商業施設も採算が取れず、出店を見合わせる。生活インフラもできないから、人も戻ってこないという悪循環に陥っているという。

さらに深刻なのは、町の予算の実に7~8割程度を占める復興関連・原発関連の交付金や補償金が打ち切られた場合、水道事業を維持することもままならない事態に陥ってしまうという。

このままでいくと、双葉郡の町村は合併するしかないという事も語られていた。


6年という歳月を経て、国は様々な補償を打ち切ろうとしているが、事実として、主な原因としては放射能の影響により、いまだ復興の見通しが立てられない町村があるのだ。

そのことを無視しないでほしい。

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170311_2

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