2015年8月6日木曜日

NHKスペシャル きのこ雲の下で 何が起きていたのか

かなり目をそむけたくなるような内容だったが、これが現実だったのだと思いながら、番組を見た。

番組では、原爆投下の3時間後、爆心地から2キロのところにある「御幸橋」の上で撮影された白黒写真にフォーカスして、そこに写っていた生存者の証言等から、動きと声と色を付け、当時の悲惨な状況を再現していた。

犠牲者を病院に連れていく軍のトラックでも、怪我人の選別が行われていたという証言も生々しかった。トラックに助けを求めた少女に対して、女・子供は乗るなと軍人は言い放ったという(戦力になる若い男性を優先して救助したらしい)。

この番組で初めて知ったが、原爆の犠牲者の大半が、十二、三歳の子供たちだったらしい。
彼らは、大人たちが国家により戦争に駆り出されている間、勤労動員で市内のあちこちで働かされていたのだ。

戦争という悲惨は、直接の責任がない子供たち、女性、一般市民に容赦なく降りかかってくるという現実は忘れてならないことだと思う。

そんな広島への原爆投下の日から70年目の日本の現状を考えると、気持ちが暗くなる。

本来ならば、思いをあらたに平和を希求すべき時なのに、日本は戦争が出来るようにするための法制化を進めているのだ。

平和式典に出席した安倍首相の挨拶では、戦後日本が堅持してきた「非核三原則」(核兵器をもたず、つくらず、もちこませず)には触れなかったという。

昨日の国会審議で、問題の安保法案が、核兵器の運搬も排除されないという認識を中谷防衛大臣が述べた後、慌てて、「非核三原則があるので、想定していないしありえない」と強調していたが、今日の安倍首相の態度を見ると、法案で核兵器の運搬が出来る以上、政府の態度も変わる可能性があるということだろう。

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