京浜急行。
普通電車しか止まらない駅の近くに住んでいるが、横浜まで行くのに、普通電車で下って行くより、上りの電車で二駅下がって、快速特急に乗り換えた方が早く着く。
普通電車は、途中駅で、快速特急の通過待ちになってしまうのだ。
初め、なかなか、その感覚になれなかった。頭では分かっているのだが、普通電車で下るほうを選択しようとする自分を、一回、リセットするような感覚。
真っ正直に、横浜に行きたいから下り電車に乗ることを選択すると、後から来た快速特急に抜かされてしまう。
早く着きたければ、要領のよさが求められる。
そんなことを考えていたら、ふと、田舎の国道を思い出した。
その国道は単線で、二車線なら可能な追い抜きがないのだ。
だから、先頭を、おじいさんが運転する軽トラが走っていると、簡単に渋滞になってしまう。
そんな、のどかな光景に、いつも、いらいらしていた。追い抜きのない競争のない道路に。
田舎自体を憎んでいたかもしれない。年寄りが幅を利かす競争がない社会。
私が都会で感じる心地よさというのは、地下鉄のエスカレーターなどでも必ず右側が追い抜き用に確保されているところで、早く歩きたい人間が意識されているというところだ。
目の前を人が歩いているのをみると、反射的に抜かしたくなってしまう。
自分でも何かに追い詰められているような感覚がある。
いつも、前のめりなのだ。
いつか、早足(競争)にも疲れ、左側で足を止め、エスカレーターに身を任せることになるのだろうか。
でも、今は、ちょっとでも早く、人より前を進みたい。
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