この第2巻では、寿子(妙の伯母で"若女将"と呼ばれている)の娘の麻揶子が登場する。
麻揶子の絵だけ見ると、妙のおばさんみたいに見えてしまうが、妙の母親の絢子の姉が寿子なので、彼女たちはいとこ同士なのだ。(寿子の息子の仙太郎も同様に妙のいとこ)
民子という人間のできた”大女将”の不肖の娘たち、寿子と絢子という母親たちから呪いをかけられた娘の麻揶子と妙。
麻揶子は、母親である寿子から「あんたは見た目があたしに似てよくないからせめて愛想よくしなさい」と呪文をかけられ、妙も絢子の「自慢のお姫さま」という呪文をかけられるが、相当のエネルギーを使って、その呪文から抜け出すことができた強い精神力を持った二人だ。
その二人が、暴力を振るった父親から受けたトラウマと不貞の母親の存在に傷ついて、いまだ回復できていない和樹を心配するのは自然の流れかもしれない。
父母の陰口を言われ、傷ついた和樹を、妙が、和樹の義姉のすずが好きだった秘密の高台に連れていく場面がいい。
こんなに人の心が分かる妙には本当は医者を目指してほしいと思ってしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿