海街の番外編で描かれていた、すずの義弟 和樹と彼を取り巻く河鹿沢温泉での人間模様。
吉田秋生は、前作でも、本当の家族ではないけれど、それに近い緩やかな人間関係を描いたが、その枠組みは本作も同じだと思う。
両親の離散、死別により、行き場を失った和樹とその弟 守を、温泉旅館あづまやの孫娘 妙と大女将である祖母が見守る。というより、強力にサポートする。
湯守の倉石さんという父親的な存在も配置されているが、これも前作の海街同様、圧倒的に母性的な存在が強い。
この温泉旅館あづまやは、強く賢い女性たちによって、秩序が保たれている世界なのだ。
妙の母親のキャラが、海街の幸たちの母親と全く同じだったりして、配置人物に既視感が漂う。
そういう意味で新鮮味はないかもしれないが、前作同様、人間模様は細かく描かれていて、読んでいてリラックスできる作品になっている。
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