2020年6月27日土曜日

映画「Contracted」と「Thelma」

コロナ禍で家にいたとき、やることもないので映画をやたらと見た。
その時に不思議と心に残ったのがこの「Contracted」と「Thelma」だ。
どちらもレズビアンの主人公だ。

「Contracted」は、契約という意味ではなく、感染するという意味だ。
なぜ、そんな映画を見てしまったのか分からないが、やはり感染症に敏感になっていたからだと思う。
ただ、映画は相当気持ち悪いシーンが続くので、気の弱い方は見ないことをお勧めする。

サマンサというレズビアンの女性が、友達のアリス(この女性もレズビアン)が主催するパーティーに、最近別れた恋人のニッキを電話で誘うのだが来てもらえず、一人でいたところを行きずりの男に話しかけられ、お酒に薬を入れられて、車の中でレイプされてしまう。そのセックスが原因で、サマンサは性病に似たゾンビ化する病気に感染してしまい、グロテスクな症状が発症しはじめるという物語だ。

とにかく、感染した人間というものは、どこでどんな風に感染したのかを正直に医者にも説明しないし(今回の場合、明らかに性的被害者なのだが)、気が動転するとさらに人に感染させる行動をとってしまうという典型的なパターンが描かれている。

ただ、面白いと思ったのは、アリスがサマンサを酔わせようと強い酒を飲ませるやり取りや(アリスはサマンサと寝たいと思っている)、ニッキがレストランでサマンサをナンパしてきた男性に対して「あんたがそこにぶら下げている器具は働かないんだよ(you're not working with the right equipment down there.)」とガラの悪いセリフで撃退するところだ。
サマンサが母親に自嘲気味に自分はdyke(レズビアンの俗語)だというところも、言葉の意味を初めて知った。
全般的にガラの悪い英語が多く、アリスは「fucking」をやたらと使うし、「Holy shit」という言葉も意味を考えると面白い。

「Thelma」は、「Contracted」よりははるかに上品な映画で、まず、主人公のテルマが行くオスロの大学のキャンパスの風景がきれいで静かな雰囲気で描かれている。話す言葉もノルウェー語で聞いていていかにも北欧という感じを受ける。

両親に厳格に育てられたテルマには超能力があり、それを心配した両親が厳格に育てたせいで、人との交際も遠慮がちなテルマであったが、アンニャという同級生と知り合い、少しずつ打ち解けていく。そして、アンニャと両想いになってしまうという物語だ。

こちらは、いかにも自然と両想いになってしまった二人の女性のやり取りが描かれていてる。観劇中にアンニャに膝を触られて恍惚感を覚え動転してしまうテルマの様子や、初めてのキスシーンなんかは、ちょっとリアルな印象を受けた。

物語の最後は意外な形で終わるのだが、自由を獲得したテルマが幸せそうでポジティブな印象を受ける。

「Contracted」と「Thelma」を同列で論じてしまうのは多少無理があったと思うが、レズビアンの世界も面白いなと思った。

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