2015年9月15日火曜日

安保法案を巡るさまざまな動き

驚いたことに、自民・公明の与党と野党3党が今日になって、安保法案の修正合意をしたという。

http://mainichi.jp/select/news/20150916k0000m010089000c.html

ただ、野党といっても、「次世代の党」(議員数7名)、「日本を元気にする会」(議員数5名)、「新党改革」(なんと1名)という弱小野党で、修正合意というのも、法案を修正するのではなく、野党3党が主張する修正案を尊重するという国会の付帯決議と閣議決定をするだけのものらしい。

そんな拘束力のない合意が「修正」と呼べるものなのか、甚だ疑問だが、与党側が、「強行採決」と言われる事態を、極力薄めたいという意思が感じられる。
あいかわらず姑息なやり方だ。

問題の修正の内容だが、 これが、いかにも中途半端な内容になっている。


図で分かる通り、日本が直接攻撃を受けていない事態(存立危機事態など)に、例外なく、国会の事前承認を求めること、また、自衛隊派遣後も180日後に、派遣を継続するか、国会の承認を求めるなど、国会の関与を強める修正になっている。

しかし、今の自民・公明が過半数を維持している状況で、これが歯止めになるとは思えないし、第一、自衛隊を派遣したあと、国会が否決したので撤退しますなどと、同盟国に本当に言えるのかという疑問が生じる。

現場の自衛隊からすると、国会審議の行方では、派兵後、わずか半年で撤退させられる可能性もあるということを考えて活動するということになるのだろう。
私が自衛隊員だったら、こんな不安定な制約を付けて腰の据わった活動などできるか、と言いたいところだ。

自民党も、よくも、こんな中途半端な修正を飲んだものだと思う。
信念がないに等しい。

この安保法案の最大の問題は、憲法違反の疑いが濃厚ということだが、その点については、この修正合意では触れられていない。
もっとも、触れていたら、修正合意などあり得ないと思うが。

一方、国会では、中央公聴会が開かれ、野党推薦の4人(SEALDsの奥田さんも参加)が反対の意意見を、与党推薦の2人が賛成の意見を述べた。

http://mainichi.jp/select/news/20150916k0000m010084000c.html

小林節さん(慶応大教授)の
国の雇われマダムにすぎない政治家たちが、憲法を無視するということは、今後、何でもできる独裁政治の始まり。我々が常々おかしいと批判している北朝鮮と同じ体制」
の言葉と、

SEALDsの奥田さんの
「私たちは決して今の政治家の発言や態度を忘れません」
という言葉が印象に残った。

そして、国会前では、連日、多くの人々が、安保関連法案の反対デモを行っている。

http://mainichi.jp/select/news/20150916k0000m040130000c.html

そんな中、与党は、明日16日にも参議院平和安全法制特別委員会で締めくくりの質疑を行い、同委員会で16日もしくは17日に強行採決を行い、週内に法案成立を図ることを決めたらしい。

国民の半数以上が望んでいない法案を、何のために、誰のためにという疑問が改めて心に浮かぶ。

アメリカのため、安倍の私的な感情に基づいた政治目標の達成のため、といったところだろうか。

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