参議院の特別委員会で行われた「強行採決」、というより「採決」があったとも言えない異常な事態が生じた17日、国会内のテレビ中継に交じって遠くから聞こえるデモの声を聞いたとき、みんな雨が降る中で頑張っているなと思った。明日は行こうと思わずにはいられなかった。
行ってよかったと思う。
少なくとも、自分と同じように今回の事態に怒っている人は多いのだなと認識できた。
平日のデモは、自分のように仕事帰りの人々や、小学生くらいの子供たち、子連れのお母さんたち、大学生、お年寄りなど、本当に様々な人がいて、いかに、この法案に反対する国民の裾野が広いことが分かる。
荷物をコインロッカーに預け、手ぶらだったのだが、「9条壊すな(青)/戦争させない(赤)」の紙が配られていて、それをもって、国会正門前に向かった。
しかし、すでに人々が溢れていて、自分は途中で立ち止まって、何度か、繰り返させる「コール」に声をあげた。
昨日のデモは、2つの団体によって統制されていて、ひとつは「総がかり行動実行委員会」、ひとつは「SEALDs」
「戦争法案絶対反対」
「戦争法案今すぐ廃案」
「安倍政権はただちに退陣」
といったスタンダードなコール。
いつも姿が見えず、凛とした女性の声だけが印象に残るのだが、調べたら、 菱山南帆子さんという方だった。
一方、SEALDsのコール(奥田さん)は対照的で、アジテーター的な雰囲気が漂う。
「ア・ベ・ハ・ヤ・メ・ロ」
「勝手に決めるな」
「国民なめんな」
「賛成議員を落選させよう」
と生々しい。
抗議集会では、作家の島田雅彦、慶応大学の金子教授、学者会、ママさん代表の方、一昨日、横浜の公聴会で意見を述べた2人の公述人 広渡清吾氏、水上貴央氏も参加していた。
本来であれば、公述された内容はその後の審議や採決で適切に参酌されなければならないのだが、議事録にも記載されず、特別委員会は質疑を打ち切った。
明らかに形だけの公聴会だろう。
今日の参議院本会議 安保法案の審議で民主党の福山氏も述べていたが、今回の安保法案の法制化のプロセスが、最初から最後まで、ルール違反、手続き無視で行われたことの証明だろう。
しかし、今日、国会に行って感じたのだが、この反・戦争法案で芽生えた、今まで受け身一辺倒と思われた日本国民の政治に対する意識の変化は、今後も止まらないだろう。
そこに、明るい希望を感じる。
おかしい事は、おかしいという。
立憲主義という言葉が高校生の口から飛び出す。
普通の人がデモに参加して、声をあげる。
大体、私自身、本来、デモなんかに参加する人間ではないのだ。
SEALDsのコールに、
「民主主義ってなんだ?」
「これだ!」
という応答がある。
これは、意外と今回の国民の意識の変化の流れを象徴的に示したものなのかもしれない。
*つい先ほど、安保法案が参議院で可決・成立した。
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