ウクライナの人々が戦争を体験し、語った言葉を集めた本。
読んでいて、ウクライナの人々の強さとともに、戦争によって一変してしまった彼らの生活や”言葉”が感じられる。
ロシアによるウクライナ侵攻については、様々なメディアをみるが、現地の人々のこうしたリアルな思いを感じることができる情報は少ないと思う。
戦争という恐怖に囲まれながら、彼らは、自分や悲惨な目にあった人々の状況を、自意識的に、客観的に、時にユーモアを交えて、言葉であらわす。
それだけで、これだけまだ暖かい世界が彼らのこころの中に息づいていることを感じることに安堵感を覚える。
それは、文中、ボフダナさんが語った「人間らしさ」「内面の優しさ」なのだろう。
...すべてが崩れ去り、言葉が破壊された時、言葉にも表現できないような時にこそ、人は内面を大切に保つべきです...
それでも、戦争はまだ続いている。ウクライナだけでなく。
このような語彙が、パレスチナ ガザの人々のこころの中にまだ絶えていないことを心から願う。あまりにも国際社会は非情で非力で現実は悲惨だと思う。
ボフダナさんが日本の人々へのメッセージとして語った、戦争とは、私たちが想像する以上に身近なものであり、世界の遠い地域ではなく、近い地域で起こりうるものであり、人間の残虐さと優しさには、限界もなく国境もないという言葉が深い。
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