2016年12月5日月曜日

方丈記 高橋源一郎 訳/日本文学全集07

これまた、思い切った訳である。
方丈記が、まるで、外国人のヒッピーが書いたような体裁になっている。

タイトルからしてすごい。
方丈記 Mobile House Dairies (以下、本文ではカタカナ表示)


章題も、洋画と洋楽の名前みたいだ。

1. River runs through it
 流れる川の泡粒のように、人間の営みも絶えず変わってゆく
2. Back draft
 西暦1177年 キョウトでの大火事。首都のおよそ三分の一は焼け野原に
3. Twister
 西暦1180年 ナカミカド道路のキョウゴクあたりで発生した竜巻の被害
4. Metro police
 西暦1180年 福原遷都で混乱する人々の様子
5. Hungry?
 西暦1181年 まる2年続いた大飢饉で街中に溢れる遺体
6. Armageddon
 (西暦1185年)に発生した大震災の様子
7. Mind game
 どんな風に生きてゆけば、安らかな気持ちになれるのか
8. My way
 不安だらけけの人生。何の未練もなく50歳で出家

9. Making of Mobile House
 60歳で4畳半しかない家を建てた
10. Nostalgia
 琵琶の演奏、自分にために、自分で歌い、自分で弾いて、「虚無」に陥らないように
11. Into the wild
 社会から遠ざかった隠遁生活 山の風景
12. Are you lonesome tonight?
 おだやかな「こころ」がなければ、なんの意味もない
13. All that NAMUAMIDABUTSU
 ずいぶんと長く生きたような気がする。だが、それも、もうすぐ終わり

でも、高橋源一郎が、何故、これだけ、ポップな訳にしたのか、分かるような気がする。
内容が、あまりにも隠者の無常感が漂っていて、ネガティブな印象が強いからだ。

これを真面目な硬い文章で読むのは、おそらく、相当つらい作業のような気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿