2015年5月17日日曜日

NHKスペシャル 廃炉への道 2015 "核燃料デブリ" 未知なる闘い

2011年3月11日に発生した東日本大震災によりメルトダウンした東京電力福島第一原子力発電所の1号機、2号機、3号機の廃炉作業は、東京電力作成の工程表によると、今年から本格的な準備作業が始まり、2021年から15年かけて、取り出し作業が行われるという。

廃炉作業にあたっては、"デブリ"(debris)と呼ばれる核燃料が溶け落ち、原子炉の構造物などと混じり合った“核燃料デブリ”を取り出す作業が必要になってくる。

この“核燃料デブリ”は、人が死に至る放射線を、数万年にわたって、出し続けるというやっかいなもので、かつ、分厚い遮蔽された格納容器の中で、どのような形で溶け落ちたのかが容易に把握することができない状態にある。

番組では、この“核燃料デブリ”の状態を探るため、宇宙線を活用したレントゲンのような透視の方法、直径10cmの配管をくぐることができる蛇型の小型ロボットカメラ、また、福島の原発事故で想定される“模擬デブリ”の作成を通したデブリの特性の把握など、さまざまな取り組みが紹介されていて、興味深かった。

“模擬デブリ”の特徴では、ウランが偏在しまうことにより、再臨界のリスクもあるということが説明されていて、ただでさえ、困難な廃炉作業が、さらに一筋縄でいかないものであることが、よく分かった。

これをチャレンジとして捉え、高機能ロボットの開発など、課題解決のために日本の科学技術がさらに発展することを期待したい。

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