アントニオ・タブッキの2009年の短編集。
「雲」の話を立ち読みしていたら、どうしても、この本がほしくなった。
クロアチアの海辺のリゾートで、国連平和維持軍に従事し、劣化ウランを浴びたイタリア人の元兵士が療養と称して、日がな、パラソルの日陰でぼんやりと過ごしている。
海水浴も日光浴もしない男に興味を抱いたひとりの少女との、どこかユーモラスな会話。
男は、雲占いの術を少女に教える。
古代ギリシア語で書かれた地理書「ストラボン」に照らし、雲の形から未来を読み解こうとする。
この短い小説を読んでいたら、本当に、クロアチアの海辺で、強い日差しを避けながら、ぼんやりと雲の形を眺めている、そんなゆったりとした心地よい気分になれました。
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